前回では、「シニア」について基本的な事をお伝えしました。
子供の用に可愛い我が子の死、愛犬の終活、勿論考えたくない、深く理解します。しかし、大勢の飼い主様を見てきた私が力を込めて伝えたいこと、それは「愛犬の終活を考える」です。必ず残る後悔。しかし少しでも少ないよう「有難う」とお見送りをして欲しいと考えます。
本日の記事は、当たり前の事ばかり、簡単な事ばかり書いていきますが、意外と出来てない、後悔の種となっている点です。
早速ですが、「高齢(シニア)期」または加齢により介護が必要となった愛犬・愛猫に穏やかな生活を送ってもらうために飼い主さんが気をつけていきたいポイントはどのようなものがあるでしょうか。
適切な「種類」のフードを選ぶ
御存じかと思いますが、パピー期、成長期、元気はつらつ期、シニア期は、必要な栄養素が全く異なります。
そこで、此処でお伝えする「シニア期」では、持病があり療法食などを必要としていないならば、基本的には「シニア用・高齢用」などと記載された製品を選べば良いでしょう。
ただ、急に切り替えてしまうと消化不良などの体調不良を引き起こす可能性もあるため、1週間ほど時間をかけて少しずつ新しいフードの割合を増やしていくようにしてくださいね。
なお、お口の状態によってはドライフードをそのまま与えるのではなくふやかす、ウェットフードを主に与えるなどの工夫が必要となる場合もあります。
手作り食の場合は、アミノ酸が若い頃よりも必要なので良質タンパク質を多めに与えて下さい。タンパク質不足になると、足腰の弱まりが早まります。成長期や元気はつらつ期にも必要なカルシウムも必須です。小魚やししゃもなど骨まで丸ごと食べられるものが良いです。
適切なフードをこまめに与える
「高齢(シニア)期」は必要とするカロリー量も若いころと比べて少なくなりますが、それだからといってフードの量が多すぎたり逆に少なすぎたりすると体調不良を引き起こしてしまう危険性があります。よって月に1回程度は体重を測定するとともに適切なカロリーとなるようにフードの分量を量るようにしましょう。
また、人間と同様に老化現象の1つとして消化機能の低下が見られることが多いことから可能ならば1日の量を3回~4回ほどにこまめにわけて与えることをおすすめします。
プロによるサービスにも甘える覚悟を持つ
共倒れ、そんな恐ろしい言葉が人間の介護でも問題になっています。
犬・猫は私たち人間が思っているよりも周囲の環境に敏感であり、飼い主さんがお世話や介護によってストレスが溜まっていたり、疲労を感じたりしていると、それらが引き金となって健康状態を悪化させてしまうとの考え方もあります。
よって飼い主さんだけではなく愛犬・愛猫のためにもたまにはペットシッターやお預かりサービスなどを活用することも選択肢の1つとして用意しておく方が安心です。
就活を考えておく
ほとんどの飼い主さんが考えたくないことですが生き物である以上、旅立ちは必ず訪れます。私たち人間でも「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」または「人生会議」といって自らが望む人生の最終段階における医療・ケアなどについて前もって考えておくことが推奨されていますがペットにおいてもこれは必要であり、話すことのできない愛犬・愛猫について決めるのは飼い主さんとなります。
今の獣医療は非常に発展してきており、抗癌剤治療や血液透析、胃瘻による栄養補給などは人間とほぼ似たレベルまで可能になってきています。さらには入院や手術を行って積極的に治療するか、家での時間を過ごすことを優先するか、など飼い主さんが愛犬・愛猫に代わって選ぶ場面は増えつつあります。
実際に愛犬・愛猫が終末期になってからだと考える余裕がないため、可能ならば元気なうちにいろいろと家族間で話しあっておくことをおすすめします。
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